獣医がおすすめする「秋の健康診断」

2025/10/28

獣医がおすすめする「秋の健康診断」

尿、超音波検査で守る“沈黙の臓器”

涼しく過ごしやすい季節になってくると、ペットの体調も安定しやすくなります。
そんな秋は、健康診断に最も適した季節のひとつです。春の予防シーズンが落ち着き、冬の寒さや年末の慌ただしさが訪れる前に――。
今のうちにワンちゃん・ネコちゃんの体を、内側からじっくりチェックしてみませんか?

なぜ秋に健康診断がいいのか

秋は気温や湿度が安定し、動物にとってストレスが少ない季節です。
夏の暑さによる食欲不振や脱水が落ち着き、活動量も戻りやすいため、体調の変化を見つけやすい時期でもあります。
特に、中高齢のペットや、泌尿器トラブル(尿石症、腎臓病など)を抱えやすい子にとって、秋の健康診断は「冬に向けた予防チェック」として最適です。
寒くなると飲水量が減り、尿が濃縮されることで結石ができやすくなるため、秋のうちに尿路の状態を確認しておくことが大切です。常に水が飲める環境づくりもしてあげたいですね。

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尿、超音波検査で見つかる“隠れトラブル”

健康診断というと血液検査を思い浮かべる方が多いですが、尿検査と超音波検査(エコー)は、腎臓や膀胱の病気を早期に見つけるために欠かせません。

● 尿検査では、腎臓のろ過機能、感染、結石のリスクなどをチェックできます。
たとえば「血尿が出ていないのに潜血反応がある」「pHが高い」「結晶が見つかった」など、症状の出る前に異常を察知できることがあります。

● 超音波検査(エコー)では、尿路結石や膀胱炎、腎臓の形の変化などをリアルタイムで確認できます。
実際、血液検査では異常が出ていない段階で小さな結石や泥状の沈殿物が見つかるケースも少なくありません。

これらの検査を組み合わせることで、「今は症状がないけれど、将来病気につながる可能性があるサイン」を早期に発見できます。

秋の検診を「未来の安心」につなげよう

動物病院では、年齢や生活環境に合わせて以下のような検査を組み合わせて行います。

● 一般身体検査(視診・触診・聴診)

● 血液検査(肝臓・腎臓・電解質バランスなど)

● 尿検査・便検査

● 画像検査(レントゲン検査・超音波検査)

秋は病院も比較的落ち着いており、待ち時間も少なめ。緊張しやすい子や他のワンちゃんが苦手な子にも受診しやすいシーズンです。検査結果をもとに、水分補給の工夫やフードの見直しなど、生活改善のアドバイスも受けられます。

気持ちいい季節に健康診断を

尿検査と超音波検査は、目に見えない臓器の“声”を聴くための大切なツールです。元気な今だからこそ、「何も起きていない」ことを確認しておくことが、これからの安心につながります。秋の穏やかな時間を使って、ぜひ一度、ペットの健康診断を受けてみてください。
それは“今の元気を未来に続けるための小さな投資”です。

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この記事を書いた人

獣医師 塩田純一郎

獣医師 塩田純一郎

獣医師。
首都圏で5年間犬猫を中心とした診療に携わりました。その後は病気のメカニズムや細胞たちの反応、薬の作用について勉強しています。
日常の身近な疑問や病気のメカニズムについて、わかりやすくお話しできればいいなと思っています。
よろしくお願いします。

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