その抜け毛、異常かも?知っておきたい猫の心因性脱毛
2022.10.27

猫は1日の多くの時間を毛繕いに費やす動物
毛繕いには猫のストレスを軽減し、気持ちを落ち着かせる、敵からの攻撃をそらすなどの役割があります。
正常な毛繕いであれば脱毛に発展することはないですが、長時間・高頻度で舐め続けることによって脱毛につながると考えられています。また脱毛だけではなく、舐め壊しと呼ばれる外傷性皮膚炎につながることもあります。
この過剰な毛繕いの原因として、痒みや腹部の違和感(膀胱炎や便秘、痛みなど)、ストレスによる心因性脱毛などが挙げられます。
今回は、この中で見落とされがちな心因性脱毛についてお話ししていきます。
心因性脱毛とは
何らかの精神的ストレスによる過剰な毛繕いにより、本来は毛で覆われている部分の毛が薄くなる、皮膚が露出してしまうなどの脱毛症状が出ることを「心因性脱毛」と言います。
脱毛部位は下腹部~股、腰や尾など様々な場所に起こります。
心因性脱毛の原因
過剰なストレスが持続した際に発症すると考えられています。
ストレスの原因
・運動不足、遊び不足
・生活スペースに安心できる居場所が少ない
・トイレ環境への不満
・同居動物と仲が悪い
・飼い主の進学や就職による生活の変化
・引っ越しによる生活環境の変化
心因性脱毛の治療

〈行動療法〉
猫のストレスの原因を探り、そのストレスの原因を改善することで過剰な毛繕い行動が緩和することがあります。
・運動環境
キャットタワーなどの1匹でもある程度運動できるスペースを設ける、1日に10分程度は玩具で遊ぶようにする。
・生活環境
水、フードは常に新鮮なものにする。
爪とぎは定期的に交換する。
キャットタワーや猫ベッドなど安心して過ごせる場所を複数用意する。
トイレは頭数+1個用意し、常にきれいにしておく。
・同居動物との仲
生活スペースを分ける。
お互いがある程度距離をとって生活している場合は、水やフード、ベッドの位置をなるべく離すだけでも効果がある場合もあります。
〈薬物療法〉
行動治療のみで症状の改善が見られない場合、薬物療法も併用します。
抗うつ剤などを使用することが多いでしょう。
〈サプリメント〉
不安をやわらげる効果のあるサプリメントや、猫に安心感を与えるフェロモン製剤なども行動治療法や薬物療法と一緒に使用される場合もあります。
脱毛は見分けが難しい病気
猫の心因性脱毛は痒みによる脱毛や他の病気による脱毛と見分けが難しい病気で、まずは心因性脱毛であるかそれ以外の病気なのか診断してもらうことが大切です。
飼い猫に脱毛が見られたら、かかりつけの病院に早めに相談してくださいね。
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