犬の肛門腺絞りが定期的に必要な理由とできなかった時の対処法

2025/07/07

犬の肛門腺絞りが定期的に必要な理由とできなかった時の対処法

肛門腺絞りについて

トリミングサロンや動物病院でケアの一つとして実施することの多い「肛門腺絞り」ですが、
よく飼い主さんに「肛門腺絞りは定期的にやったほうがいいか?」と質問されます。

すべての犬で定期的な肛門腺絞りが必要なわけではありませんが、
肛門腺が溜まりすぎると内部で炎症を起こして病気の原因になってしまいます。

今回はそんな肛門腺絞りについてお話していきます。

肛門腺とは

肛門の脇の時計で言うと4時と8時の方向にある袋のことを「肛門嚢(こうもんのう)」と呼び、
その中にある分泌物の液体のことを「肛門腺」と呼ぶことが一般的です。

肛門の脇にある肛門嚢が便が出るときに圧迫され内部の肛門腺がピュッと便と一緒に排泄されます。
また恐怖を感じる時、興奮時に肛門腺が出ることも多くみられます。

肛門腺はさらさら水様のものからドロっと粘度の高いものまで犬の体質などによって様々です。
そのため肛門腺が自然には出にくく、定期的な肛門腺絞りが必要な犬もいるのです。

肛門腺絞りのやりかた

肛門腺絞りのやりかた

・肛門腺絞りの頻度
月に1回程度実施することで肛門腺の溜まりすぎを予防できます。

・肛門腺絞りの方法
1、尻尾をあげて肛門を見えるようにします。
2、数枚重ねたティッシュ越しに4時と8時の方向の肛門の脇に指を入れて肛門嚢を押し出すように絞ります。

また、肛門腺は名前のイメージ通り、強い臭いのする液体のため、

【おそうじ泡スプレー犬用】
【厚手おそうじシート】
などのお掃除アイテムもあると便利でしょう。

肛門腺絞りが失敗した場合に考えられること

・肛門腺が溜まっていない
・肛門腺が固く、絞っても出にくい
・肛門嚢が奥の方にあって触知しにくい
などの理由が考えられます。

肛門腺は溜まりすぎると内部で炎症を起こして腫れる「肛門嚢炎」や肛門嚢が破れる「肛門腺破裂」という病気になってしまうこともあるため、
自宅でうまくできなかった場合はトリミングサロンや動物病院にご相談くださいね。

獣医師 タメになる いぬ

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この記事を書いた人

獣医師 赤松愛

獣医師 赤松愛

獣医師
酪農学園大学卒業。今年で小動物臨床経験7年目。
現在は千葉県で犬猫、小動物の一般診療に従事しています。
猫とフェレットとクォッカが大好きです。

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