ネコちゃんだけじゃない!家族を守るノミ・マダニ予防

2023/04/15

ネコちゃんだけじゃない!家族を守るノミ・マダニ予防

春は犬猫を飼っている方には忙しい季節

春になりワンちゃんはノミ・マダニ、フィラリア、狂犬病と予防に大忙しな季節ですね。

動物病院も4月から6月までは繁忙期と言われ、普段以上に慌ただしい毎日を送ることになります。
そんな予防シーズンはワンちゃんだけのものではなく、ネコちゃんにもしっかりとした予防が必要です。

ネコちゃんができる予防対策には「ノミ・マダニ」があります。
これらの寄生虫は皮膚表面に寄生することから外部寄生虫と言われます。
ネコちゃんはワンちゃんと違って、普段は外出しないから特に何もしなくても大丈夫!
と思われるかもしれませんが、実はヒトの衣類をはじめとした様々なルートから家の中に入ってくる可能性があります。

今回はそんなネコちゃんの外部寄生虫やヒトにも感染する人獣共通感染症について解説していきたいと思います。

ノミの寄生と関連する疾患

ノミの寄生と関連する疾患

ノミとは昆虫の仲間で主にネコノミとイヌノミがいますが、
犬・猫のどちらにもネコノミが多く寄生すると言われています。
また犬・猫以外のペットや人間にも寄生して吸血する可能性があります。

ノミは吸血する時だけ皮膚表面に張り付き、吸血したのちは動物の身体からはなれて生活します。
自然界では草むらに隠れていますが、家の中では毛布やカーペットなどの繊維の間に潜んでいて、
夜寝静まった時に吸血するためにあらわれます。

ノミ寄生で特に注意するべきなのは新しく家に来たばかりの子や免疫力が低めな若い子、
高齢な子に加えて病気の治療で免疫を落としている(免疫抑制療法)子たちです。

これについては人間も同様で、小さいお子さんや高齢の方は特に注意しておく必要があります。

ノミ寄生の症状としてもっともわかりやすいものが「かゆみ」(瘙痒感)です。
これは寄生しているノミやその唾液に対するアレルギーの反応と言われています。
それに伴って赤み(紅斑)や腫れ(丘疹)が現れたり、脱毛・びらんといった表面の変化が現れたりします。

ネコちゃんの場合、かゆみが最も強い部位は背中〜腰にかけての範囲で、
外部からの刺激に非常に敏感になるため、腰や背中を痛がっているのではないかと思う場合もあるほど。
寄生数が増えていくと毛の間を走り回るノミが見つけられることもあり、
動くノミを見て初めて寄生に気づいた、なんてことにもなりかねません。

猫ひっかき病として知られるバルトネラ症も実はノミが媒介する疾患。
この細菌が感染しているネコちゃんに引っかかれると傷が赤く腫れあがり発熱することも。
季節性があり、7月から12月の間がノミの活動との関連が示唆されています。

マダニの寄生と関連疾患

マダニの寄生と関連疾患

マダニは昆虫ではなく、蜘蛛の仲間の節足動物です。

草むらから身体に登って皮膚に顎を食い込ませて吸血します。
皮膚に付着すると顎を皮膚の中に食い込ませ、接着剤で身体を固定します。
最初は数ミリの身体が吸血を行うことでどんどんと大きくなり、2cmほどのサイズになることも。

ノミは皮膚に身体を固定することはありませんが、マダニはかなりしっかりと付着するために、
マダニを見つけたからと言ってそのまま引っ張ってしまうと頭がちぎれて皮膚の中に残ってしまうことがあります。

もしもマダニを見つけたら無理に剥がそうとせず、動物病院で取ってもらいましょう。
噛みつき方や場所によっては一部皮膚を切開しなければいけないこともあるので注意が必要です。

直接外に出ないネコちゃんは寄生の機会が少ない寄生虫ではありますが、
ノミと同様に人間にも寄生する上に、病気の媒介もおこなうため、こちらもできるならば予防を推奨しています。

またノミが媒介するものには、近年話題になった『重症熱性血小板減少症』(SFTS)という病気もあります。
これは感染症法という法律で四類感染症という特別な病気に指定されており、
発熱や嘔吐下痢などの症状に加えて血小板や白血球の減少を引き起こして全身状態を悪化させる病気です。
致死率は最大で30%ほどにもなると言われています。

今回はノミ・マダニが起こす症状や関連する病気について解説しました。
月に一回の予防をするだけでこれらを防ぐことが可能なので、
今まで対策をしてなかった人もこの機会にぜひもう一度予防について考えてみてくださいね。

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この記事を書いた人

塩田純一郎

塩田純一郎

首都圏で5年間犬猫を中心とした診療に携わりました。
その後は病気のメカニズムや細胞たちの反応、薬の作用について勉強しています。
日常の身近な疑問や病気のメカニズムについて、わかりやすくお話しできればいいなと思っています。
よろしくお願いします。

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