熊被害の救世主は犬！？吠えられると逃げる熊の習性

2023/11/28

相次ぐ熊による被害報告

今年は日本各地で熊による被害報告が相次いでいます。
環境省の調査によると、今年４〜9月の熊による被害人数は2006年の統計開始以来、過去最多となる109人。
すでに21、22年の年間規模を上回っているのだとか。

日本中で熊の被害に頭を抱えるなか、犬が熊を撃退する事例が発生。体格差を考えると犬が熊を撃退するとは考えにくいですが、SNSには飼い犬に吠えられて熊が逃げ出す動画もアップされています。

家に侵入してきたクマを撃退する勇敢なわんこ https://t.co/qu6C8Fwex1 #gif #動物 #犬 #クマ #番犬 #監視カメラ pic.twitter.com/8gOJ4VePZ6
— anigif.webwedge (@anigif_webwedge) December 16, 2017

軽井沢では民家に近づいてきた熊を森に追い返す「ベアドッグ」がいるとか。

ベアドッグは熊を森へ追い払うための特別な訓練を受けた犬で、熊を見つけると大声で吠えるように幼い頃から教え込まれているのだそうです。人間に被害を及ぼす熊ですが、ベアドッグのおかげで彼らを殺さずに撃退できるというわけ。

なぜ熊は犬が吠えると逃げるのか

犬が吠えると熊が逃げる理由について専門家は
「怖がるというよりも避けたいという心理が働いている」と話します。
かつて山にいた野良犬の記憶があり、熊からすれば犬は厄介な存在だったのだそうです。

犬には集団で敵に襲いかかるという習性があります。
野良犬は複数で熊に立ち向かい、一匹が熊と正面から向き合うと、
他の犬は熊の背後に周り、隙を見て後ろから脚に噛みつく。

アキレス腱を切れば獲物の動きが止まることを犬たちは本能で知っているのだそうです。
犬の闘争本能、恐るべしですね。

ただし犬が吠えれば、どんな熊でも撃退できるわけではありません。

日本は1950年に制定された狂犬病予防法により、野良犬の駆除が進められました。
その結果、犬に襲われた経験のない熊が増えているといいます。

そのため飼い犬を散歩していると「人と違う見慣れない生き物がいるぞ」と
注意を引いてしまい熊に襲われるというケースもあるのだとか。

野良犬の駆除が熊の被害を増やした!?

野良犬の減少により犬を怖がらない熊が増加。
その原因について専門家は「野良犬を駆除した結果」と話します。

熊をはじめとした野生動物が里山から人里へ降りて来なかったのは、
野良犬の存在が大きかったのですが、狂犬病を撲滅した結果獣害が増加。
自然の生態系が壊れてしまいました。

最近の熊は犬だけでなく人間も怖がっていないそうで、熊よけの鈴の音を聞くと、
エサを期待して寄ってくるのだとか。

人間が自然の生態系に手を加えたことで、犬も熊も自らを変化させてきました。
その結果、熊の被害が相次いでいるというのは皮肉な話です。

先述しましたが飼い犬と一緒にいれば熊を必ず撃退できるわけではないので、
もし熊が近くに現れたら愛犬と共に逃げてくださいね。

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