獣医が教える子犬の甘噛みトレーニング法
2024/11/14

獣医が教える子犬の甘噛みトレーニング法
子犬を飼い始めたばかりの飼い主さんは、子犬のトイレの失敗や甘噛みなど予期せぬ行動に戸惑う事も多いのではないでしょうか。
子犬を飼い始める時期は生後2〜3ヶ月の頃が多く見られますが、この時期は子犬が人との生活に順応していくための大切な期間です。
今回はその時期に噛み癖がつきやすい「甘噛み」についてお話していきたいと思います。
犬にとって「噛む」という行動は脳への刺激、唾液の分泌、ストレス発散など必要な行動。その「噛む」という行動自体は制限せずに甘噛みを覚えさせ「人や他の犬を本気噛みしない」という方向にシフトさせることが重要です。
そのためには「社会化期の噛みつき抑制」や「甘噛み」が始まる時期のトレーニングが大切だと考えられます。
甘噛みを悪化させないポイント
・社会化期の噛みつき抑制
生後3〜9週は犬の社会化前期と言って、母犬や兄弟犬との噛み合いの中で噛む力の加減を覚えていきます。また生後4〜6ヶ月で乳歯から永久歯に生え替わるため、身近なものを噛みたい欲求が出てきます。
甘噛みはこの時期を過ぎると落ち着く傾向にありますが、甘噛み行動が落ち着かずむしろ悪化する場合は、成長に伴い噛む力も強くなり飼い主にケガをさせる恐れもあるため、悪化傾向であれば早期にトレーニング介入が必要です。
・子犬の噛む欲求を満たす
前提として犬は噛むことが好きな動物です。噛むおもちゃなどで十分遊んであげることで、噛みたい欲求を満たしてあげましょう。
人と引っ張り合いの遊びができるロープやぬいぐるみ、ひとり遊び用のかじるタイプや中におやつを入れるタイプのおもちゃなど、多様なものを駆使してみてください。
遊ぶ際の注意点ですが、遊びに興奮したり間違えて人の手を噛んでしまったりした時はすぐに遊ぶのをやめて「人の手を噛むとつまらない」と認識させるようにしましょう。
人の手を噛んだ後におもちゃで遊んでしまうと「人の手を噛んだら遊んでもらえる」と覚えてしまうため気をつけてください。なるべく人の手を噛まれないように予防しながらおもちゃだけ噛ませるようにしましょう。
・甘噛みをされた時に叱らない
子犬が人の手を甘噛みした際はなるべく反応をしないようにしてください。そのまま子犬を無視して遊ぶことをやめるようになると「人の手を噛むと遊んでくれなくなりつまらない」と学習して噛むことをやめるようになります。
痛がって反応したり怒ったりすることは子犬にとって「よく分からないけど構ってもらえて嬉しい」となり、勘違いして甘噛みを助長することに繋がります。
また、強く叱責することで子犬に恐怖心を与えることは、信頼関係を築く大事な時期に人との関係を悪くしてしまう可能性があります。
上記のポイントはそれぞれ難しいものではありませんが、根気よく飼い主さんがワンちゃんの甘噛みに向き合う必要があります。
自宅でのトレーニングで甘噛みが直らない場合は専門的なトレーニングが必要になることもあるため、ドッグトレーナーや動物病院に相談するのもひとつです。
大事なワンちゃんとの関係性をよくするためにも甘噛みに対してのトレーニングを始めてみてくださいね。
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