犬の嗅覚で人間のパーキンソン病を察知?新研究の成果

2025/09/29

犬の嗅覚で人間のパーキンソン病を察知?新研究の成果

犬の嗅覚で新研究に成果

犬の鋭い嗅覚は、犯罪捜査や薬物探知だけでなく、医療分野でも注目を集めてきました。
過去の研究ではがんや感染症を匂いで識別できるという報告がありましたが、神経疾患の早期発見にも役立つ可能性があることがわかりました。

イギリスのブリストル大学獣医学部の研究チームは、皮脂サンプルを用いてパーキンソン病を判別できるかどうか犬を訓練。
その成果が専門誌「Journal of Parkinson’s Disease」に7月14日付で掲載されました。

当初は5頭の犬に学習させたものの、最後まで取り組めたのはゴールデンレトリバーのバンパー(2歳・オス)と、ラブラドールとゴールデンのミックス犬ピーナッツ(3歳・オス)の2頭。
両犬は205点に及ぶ皮脂検体を使って約9〜12か月間にわたり学習を続けました。
正しい検知行動をとるたびに報酬を与える方式で精度を高めていったといいます。



最終的に、40点のパーキンソン病患者由来のサンプルと60点の健常者由来のサンプルを用いた二重盲検試験で評価。
その結果、患者を見抜く感度は70%と80%、健常者を正しく除外する特異度は90%と98%に達しました。

研究の着想となったのは、パーキンソン病の初期に皮脂が過剰に分泌され、独特のろう状の匂いを放つこと。
研究者らは「犬ならこの匂いを手がかりに病気を識別できるのでは」と考えたのです。



研究を発表したNicola Rooney氏は「私は、パーキンソン病患者を特定するための迅速で非侵襲的かつ費用対効果の高い方法の開発に犬が役立つと確信している」と期待を寄せています。

さらに慈善団体「メディカル・ディテクション・ドッグズ」のClaire Guest氏も「犬が疾患を極めて正確に検知できることを改めて発表できることを非常に誇りに思う。
現状ではパーキンソン病を早期発見するための検査は存在せず、症状が目に見える形で現れるようになり、それが持続して確定診断に至るまでに最大で20年もかかることがある。
しかし、パーキンソン病でとりわけ重要なのは早期診断だ。なぜなら、それにより治療で疾患の進行を遅らせ、症状の重症度を軽減できる可能性があるからだ」と語っています。

現時点では臨床での実用化には至っていませんが、犬の嗅覚が新しい診断法の糸口となる可能性は大きいと研究者たちは考えています。
嗅覚という自然の能力が、将来の医療に新たな選択肢をもたらすかもしれません。

匂いでバッチリ病気を見分けた際には、たっぷりのオヤツで褒めてあげたいですね。
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この記事を書いた人

大竹将義

大竹将義

1983年生まれ。放送作家。
小学生の時、魚屋さんから犬を譲り受けて暮らしていた元愛犬家。
名刺には、依頼主への忠誠を誓うという意味から、お腹を見せて寝転がるボストンテリアのイラストを使用。

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