ペットの命を守る防災の備え 避難所でペットと暮らせるのか

2026/01/29

ペットの命を守る防災の備え 避難所でペットと暮らせるのか

地震が頻発する近年の日本

2024年の能登半島地震以降も、日本では日向灘や青森県東北沖、そして鳥取島根など、大きな地震が発生しています。震災はいつ、あなたのお住まいの地域に発生するか分かりません。

そんな時、家族同然の愛するペットの命を守る事が出来るのか?犬と猫と暮らす我が家にとって、そこは大きな使命でもあります。

そこで、今回から2回に亘って、「ペットの命を守る防災の備え」を特集。

国家資格の「正看護師」さんでありながら、動物取扱業の資格をお持ちで、22年前からペット防災や被災地でのボランティア活動などもされている「BOW・WAN(ぼう・わん)ボランティア(https://bowwan237.1net.jp/129020.html)」(横須賀市)の渡辺智子(わたなべ・ともこ)さんにお話を伺いました。

「ペット同行避難」と「同伴避難」

「ペット同行避難」とは、大規模な災害発生時に、自宅からの避難が必要な飼い主が飼育しているペットを同行し、住んでいる地域ごとに指定された避難所などに避難する事。つまり、「同行避難」とはあくまでも『ペットと共に安全な場所へ避難する行動』を意味します。

一方、「同伴避難」とは避難場所にペットを受け入れ、ペットの避難場所を確保する事を言います。避難所では、人の避難場所とは別にペットの避難場所を設ける「別居型」、飼い主とペットが同じ場所で過ごすことができる「同居型」に大きく分けられます。

しかし現実問題としては「別居型」が主流となっています。(渡辺智子さん)

ペットと一緒に避難する上で大切な心構え

再び、渡辺さんに伺いました。

人とペットが安全に避難し、共同生活を過ごす拠点などの避難先で、周りの人へ迷惑をかけずに過ごすためには、日頃からの心構えと備えが必要です。

ペットが好きな方から多く寄せられる質問がこの2つ。
Q1: 『何故、一緒に避難所に入れないの?家族なのに一緒に暮らせないの?』
A1: 『動物アレルギーの方、ペットが苦手な方も避難しています』

Q2: 『では、少し離れた部屋にすれば大丈夫ではないか?』
A2: 『毛が飛散した場合、アレルギーの方はどうなるでしょう?鳴き声や匂いに対してペットが苦手な方はどう感じるでしょうか?』

災害時の避難所生活は2、3日ではないのです。数ヶ月続くのです。現在はとても平穏な生活の中で私たちは過ごしています。ですから「何とかなる。大丈夫」と思うかもしれません。しかし、災害時には今と同じような精神状態を保つことは難しいのです。そのような中で「うちの子は大丈夫」と言う気持ちで周囲を納得させることが可能でしょうか?(渡辺智子さん)

様々な避難所でボランティア経験をされている渡辺智子さんが訴えているのが、「避難所生活では、ペットが苦手な人もいる事を意識する」という点でした。トラブルを避けるためにも、周りの人たちが納得するような形を考える必要があります。

避難所でのペットの暮らし

避難所でのペットの暮らし

では、避難場所が別居型の場合、どのような備えやしつけが必要なのか?そして、ワンちゃんや猫ちゃんは、どのように過ごすのか?再び渡辺智子さんに伺いました。
犬猫はクレート、ケージ内での管理となります。犬はクレート、猫はケージです。

クレートとケージの違いですが、クレートは周囲がほとんど固い構造で囲まれているもの。ケージは全て格子に囲まれているもの。ケージやクレートに入れる事を人間が勝手にかわいそうと思いがちですが、犬猫は狭くて暗いところが好きなんです。

ですから日常からクレートやケージに入ることに慣らしておくことが大切です。

逆に、クレートなどに慣れていないと、災害時に犬猫に大きな負担やストレスがかかり、「かわいそう」となることを覚えていてほしい。

また避難所では積み重ねられるハードタイプのクレート、ケージが必要になります。

ちなみに、猫のケージは排せつと寝床が同じスペースであるから犬に比べて広めのスペースが必要です。逆に犬は寝床と排せつは別なので、クレートはあくまでも休む場所のみで使用するため狭くなっています。

避難所まで移動する際に気をつける事

避難所まで移動する際に気をつける事

鳥、ハムスター類は避難するときに必ず入れ物をガムテープで巻いて避難所まで行くことが大切です。

なぜ、ガムテープで巻くのか?それは、鳥かごの下が外れたり、蓋が外れたりする確率が高いからなんです。

また、猫は避難所まで移動するとき必ず洗濯ネットに入れて移動する事をおすすめします。なぜ、猫ちゃんを洗濯ネットに入れるのか?これは、万が一、キャリーなどの入れ物のふたが空いてしまっても、洗濯ネットに入れておくことで逃亡防止となるからなんです。

ちなみに、それぞれのペットは最低1か月分のフード、水、ケア用品は飼い主が用意して下さい。避難物資は主要な所には1か月くらいで届くのが一般的ですが、実際、各避難所まで届くまでに、1か月以上かかるケースがあります。(渡辺智子さん)

避難所の現実を知ると、ペットと暮らしている方にとっては、厳しい話が多くて、受け止めきれないかもしれませんが、いざという時のために、備えていく事がペットのストレスを軽減させ、命を守る事にも繋がるのかもしれません。

放送作家・小谷亮介

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この記事を書いた人

小谷亮介

小谷亮介

1976年生まれ。放送作家。
5歳の時から40年以上、犬と暮らす自称「愛犬家」。
令和元年の秋に千葉などを襲った台風の前日に次男が子猫を拾い、現在は犬と猫(仲悪い!)との生活を送る。
放送作家としてはTBSラジオ「伊集院光とらじおと」、ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」などを担当。

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