高齢ペットの夜鳴きと認知機能低下対策
2026/02/17
ヒトもペットも鬱になる季節
「最近、夜になると愛犬が意味もなく吠え続ける」「猫が夜中に歩き回り、落ち着かない」。このような相談を受けることがあります。
このような夜泣きや昼夜逆転現象は単なる癖や甘えだけではなく、実は加齢に伴う脳機能の低下、いわゆる認知機能不全(いわば動物版の認知症)の初期サインであることがあります。冬は特に日照時間が短くなり、生活リズムの乱れが起こりやすく、症状が現れやすい季節になります。
認知症の原因と対策
夜鳴きの背景には、複数のメカニズムが絡みます。最も多い原因はやはり加齢。脳内の神経伝達物質の調整が不安定になると、時間感覚が狂い、昼夜逆転が起こりやすくなります。
またヒトの認知症で見られる脳のアミロイド沈着というものも、加齢性に増加しやすいことがわかっています。昼間は寝てばかりいるのに、夜になると落ち着かず鳴いたり徘徊したりする行動が典型例。
視力や聴力の低下で環境の把握が難しくなると、不安が増大し、鳴いて飼い主の存在を確認しようとするケースも少なくなくありません。
対策の第一歩は「原因を一つに決めつけない」ことです。加齢だから仕方ないと最初からあきらめるのではなく、運動や刺激を与えて脳の活動を活性化させることも必要です。ワンちゃんの甲状腺機能低下症のようにホルモンの病気の場合もあるので定期的な健康診断をしていくことも大切です。
また、痛みや寒さ、筋力量の減少から活動性が低下し、全身の血流が低下することも悪化因子の一つ。これはヒトも同様ですが、身体を動かすことで脳の血流を維持することが重要な対策になります。
おうちでできる痴呆ケア
家庭でできるケアとしては、昼間の活動量を意図的に増やすことが有効。冬は日照時間が短くなる代わりに散歩に適した気温になります。ワンちゃんは暑さには弱いですが、寒さには強い犬種が多いです。
時間帯を気にせず散歩できるのでしっかり日光を浴びて脳に刺激をあげましょう。このような軽いトレーニングは脳への刺激となり、夜間の睡眠の質を上げることができます。冬は寝床周りの保温も重要。冷えによる不快感は夜鳴きの悪化因子になります。
メラトニンや必須脂肪酸、不飽和脂肪酸を含む抗酸化成分を含むサプリメントが認知機能維持に寄与する可能性があるので気になる方は獣医さんに相談してみてください。家具の配置を頻繁に変えない、歩行を妨げない導線を確保するなどの物理的工夫は、徘徊行動の事故リスクも下げてくれます。
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夜鳴きは高齢化が進んでいくとともに必要になってくるケアの一つになっています。一度始まるとお薬で抑えるなどの対処も必要になります。できるだけ早く飼い主が早期に異変を察知し、環境、栄養、医療を組み合わせて対応し、穏やかに過ごせるようにしていきたいですね。
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この記事を書いた人
獣医師 塩田純一郎
獣医師。
首都圏で5年間犬猫を中心とした診療に携わりました。その後は病気のメカニズムや細胞たちの反応、薬の作用について勉強しています。
日常の身近な疑問や病気のメカニズムについて、わかりやすくお話しできればいいなと思っています。
よろしくお願いします。
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