少しずつからでも始めよう。ペットの歯磨きチャレンジ!
2022/06/27

日頃の口腔内ケアで歯周病を予防
歯周病を予防するには日頃からの口腔内ケアが大切。
日常的にペットも歯磨きをして歯垢をつけないようにしていきましょう。
ブラシを使って歯を磨ける子は、歯磨きペーストなども使いながらのケアで歯垢の付着を予防できます。
しかし、みんながみんな歯磨きができる訳ではありません。どうしても嫌がってしまう子には少しずつでも慣れてもらい、歯磨きができるようにしていきたいものです。
今回は歯磨きが好きではない子にも、なるべく歯を磨いてもらうための方法をステップアップ形式でまとめてみました。
口周りを触れられることに慣らそう
まず口周りを触ることに抵抗がある子たち。どの辺りからを触られて嫌がるかは個体差がありますが、一日に何回か口周りを触ることだけでもやってみましょう。
顎下や首元から始めて少しずつ口の近くへ。口角、唇ときたら、最後は歯茎を指で触れてあげましょう。
嫌がらずに触れられるようになったら、唇やその裏側、歯茎や歯自体にも定期的に触れる機会を作ります。
この時に、歯ブラシをかけることをそこまで意識しなくても大丈夫。
何かで触れられることに慣れさせてあげるのが大切です。動物は元々自分の口元を触られることに抵抗を持つようになっています。なるべく抵抗感をなくせるように少しずつ、やさしく触れてあげましょう。
ブラシを使ってみよう

口の周りに触れられるようになったらブラシの出番。
最初は擦ることを意識しなくても、まずは当てて少しだけ動かすようにし、歯ブラシを使うことに慣らしていきましょう。
ゴシゴシ擦るとその刺激に抵抗感を示すことがあります。ここもやはりブラシ自体に慣れることが目標。
前歯や奥歯など、場所や角度を変えながら全体的にブラシがけをする練習をしてみてください。歯の裏をブラッシングできるようになったら完璧です。
なかなか口を開けてくれない場合は、犬歯の後ろ2本分の範囲が上下の隙間が空きやすいので、そこからブラシを挿入してみましょう。
ここにブラシを入れると自然と口を開けてくれる子もいます。少しずつ慣らしながら歯の裏側をブラッシングしましょう。
歯磨きペーストなどのアイテムも活用
ワンちゃん用の歯磨きペーストや360°にブラシが付いている歯ブラシなど、色々なアイテムが出ています。
360°ブラシは、歯ブラシを始めると口をもぐもぐしてしまう子に有効で、歯ブラシを軽く噛んでくれるような位置に置いてあげることで自然とブラシがけが出来ていきます。
歯磨きペーストは、新しい歯垢が付着する事を防いでくれたり、口臭の対策になったりします。
もちろんワンちゃんは生き物なので、口の中が無臭ということはないですが、口臭が気になる方は使ってみると臭いが軽減されるかもしれません。
ブラシの感触などに慣れなくて、どうしても歯ブラシができない子は歯磨きペーパーなどでも効果はあります。いずれにしてもコツコツと何かやってあげる事が大事ですね。
今回は歯磨きのための練習について簡単にまとめてみました。
動物病院では歯石除去や歯周病になってしまった歯の抜歯などを行っていますが、一旦手術で綺麗にしても、気づいたら歯石まみれに元通り、なんて事もよくあります。
ワンちゃんの歯垢が石灰化して歯石になる(歯石になると歯ブラシでは取れません)までの期間は平均的に人間より短くなっており、人の場合は数日から1週間で歯石になると言われますが、ワンちゃんは早くて2日で歯石になります。
ペットの歯石除去を考えている方も、歯磨きチャレンジをしてみてきれいな歯を維持できるようにしてみてください。
STEP1 歯を触ってみる
ワンちゃんの口の中に指を入れて歯を触ってみる
まずはワンちゃんの口の中に指を1本入れてみてください。
声をかけてあげながら行うとワンちゃんも安心します。
数秒口の中に指を入れて問題なければ、今度は歯の表面を触ってみてください。
ワンちゃんが怒らない、噛まないなど、我慢できていたら、たくさん褒めてご褒美のおやつをあげてください。外側の歯が触れるようになったら、内側の歯も触って慣れさせましょう。
STEP2 歯を指で擦ってみる
歯を指で擦ってみる
STEP1の動作をある程度の時間できるようになってから、STEP2の練習にうつってください。
まずは歯磨きするように指で歯を擦ってみましょう。
このときに噛まない、我慢できていたらSTEP1と同様に褒めてくださいね。
STEP3 歯磨き用ガーゼで擦ってみる
歯磨き用ガーゼで擦ってみる
STEP2との違いは指にガーゼが巻いてあることだけです。
ガーゼで歯の表面を擦ってみて我慢できるようであれば、褒めてご褒美をあげながら少しずつ擦る時間を増やしてみてください。
歯磨き用ガーゼがなくても、普通のガーゼを指に巻いて水で濡らしたもので代用しても大丈夫です。
STEP4 歯ブラシ
歯ブラシ
最後の難関は歯ブラシ。
小さめの歯ブラシを使うことをお勧めします。まずは水だけをつけて歯ブラシを口の中に入れてみてください。
歯ブラシを口の中に入れるだけでびっくりしてしまうワンちゃんも多いため、少しの時間でも歯ブラシを口の中に入れることが出来たらすぐに褒めてあげてください。
口の中に歯ブラシを入れることに慣れたら、歯ブラシで歯の表面を擦って磨きます。
まずは短時間でやめて褒めてあげましょう。ある程度の時間擦ることができるようになれば、最後に歯みがきペーストやジェルを塗って歯ブラシをしてみてください。
ワンちゃん用のものはおいしい味や香りのものが多く揃っているので、好みで選んであげてくださいね。
歯ブラシができるようになったら基本的には1日1回は歯磨きができると歯垢の付着予防になり、歯周病になりにくくなるはずです。
ぜひおうちのワンちゃんの歯磨きを習慣にしてみてください。
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この記事を書いた人

獣医師 塩田純一郎
獣医師。
首都圏で5年間犬猫を中心とした診療に携わりました。その後は病気のメカニズムや細胞たちの反応、薬の作用について勉強しています。
日常の身近な疑問や病気のメカニズムについて、わかりやすくお話しできればいいなと思っています。
よろしくお願いします。
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