実は小型犬唯一の天然記念物!知られざる柴犬の真実

2023/02/21

実は小型犬唯一の天然記念物!知られざる柴犬の真実

私たちは柴犬の事を何も分かっていない!?

人気犬種ランキングで常に上位にランクインする「柴犬」。皆さんはどんなイメージがありますか?

多くの方は、ちょっと大きめの柴犬を想像するかもしれませんが、実は柴犬は中型犬ではありません!
柴犬は国の天然記念物に指定された犬種の1つで、その中で唯一の小型犬です。

ちなみに、「豆柴」は小さい柴犬の事であり、正式な犬種ではないそうで、
豆柴という犬種はJKC(一般社団法人ジャパン県ケネルクラブ)なども認めていないとの事。
人気のワンコなのに、知らない事だらけですよね。

ブリーダーに聞いた本来の柴犬の姿

では、本来の柴犬とは、どういったワンコなのでしょうか?
東京府中市の柴犬専門犬舎
【武蔵照陽荘(むさししょうようそう)】の代表:征矢大輝(そや・だいき)さんに伺いました。

「柴犬は狼に最も近いDNAを持ち、日本では古くから狩猟のパートナーとして活躍してきた犬種です。
小型でぎゅっと身が詰まった体格は山野を駆け回るのに適しており、
ぴっと立った耳や換毛できるダブルコートは多湿で四季のある日本の環境に適応しています」


狸顔なのに、狼の方に近いとは驚きです。

なぜ柴犬が人気なのか?

「柴犬は日本犬の中でも最も飼育数が多く、
古くから馴染みのある犬種という事で、日本人にとっては心の拠り所であり、
見ると落ち着きを与えてくれる存在なのかもしれません。
最近は丸みのあるタヌキ顔の柴犬が人気ですが、丸い顔につぶらな瞳という、
単純ながら強烈な愛らしさも人気の一つだと思います」

柴犬の飼育に向いている人、いない人

柴犬の飼育に向いている人、いない人

「柴犬は自立心が強い為、適度な距離感を保てる人に向いています。
犬が好きな場所でゴロゴロしている時は放っておき、
人間は人間の時間を楽しむといった風に、良い意味でお互い干渉し過ぎない事です」

「またメリハリをつけた躾が出来ることも重要です。
共に暮らすパートナーとして、お互いを大切にしつつ、
良い事は褒め、悪い事はしっかりと教える関係が理想的です」

「逆に、ぬいぐるみのようなペットとして、常に望んだ時に犬を構いたい、
猫可愛がりしたいという人に柴犬は向いていません。
柴犬が望まないタイミングでの過剰なスキンシップはストレスになります」


見た目は癒し系でありながら、我が道を行き、ツンデレ。
そして適度な距離感を必要とする。ワンちゃんでありながらも、猫に近いものを感じます。

柴犬を子犬から飼いたい方へアドバイス

柴犬を子犬から飼いたい方へアドバイス

「柴犬はエネルギー量が多い犬種なので、エネルギー発散が足りずに欲求不満になると、
無駄吠えや悪戯に発展することがあります。毎日の散歩が必要ですが、
十分に散歩の時間が取れない場合は、室内でおもちゃ遊びや知育玩具で頭を使ってエネルギーを発散できるように工夫しましょう。躾においては、誉めることを忘れずにオーバーに褒め、悪い行動は毅然と叱りましょう」

「また、しつこく吠える要求吠えは、構ってしまわず無視することが必要です。
柴犬は警戒心が強く、体を触られることが苦手な子も多いため、子犬の頃から全身に触られることに慣らしておくことが大事です。日常のケアや病院での診察でも、落ち着いて触られることに慣れていれば病気の早期発見につながります」


おっとりとした見た目と違って、柴犬は活発な子が多いようなので、迎える方は、ヤンチャっぷりを受け止める覚悟が必要。
飼育してから、「こんなはずではなかった」と思っても、時既に遅しになってしまいます。

成犬を迎える際のポイント

「成犬を迎える場合は、なるべく人との接触に慣れている子を選ぶことが重要です。
柴犬は一度、人との距離感を決めてしまうと、後から距離を縮めるのが大変な犬種のため、
距離感がある子の場合は、工夫をしながら付き合っていく必要があります」


最近は成犬から迎える方も増えていますが、飼育を検討される方は距離感の縮め方がポイントになってくるのかもしれません。

ブリーディングのこだわりについて

ブリーディングのこだわりについて

「武蔵照陽荘(むさししょうようそう)では、
柴犬が天然記念物として日本犬標準により定められた
「スタンダード」標準[体高は雄38~41cm、雌35~38cm、体重は雄9~11kg、雌7~9kg]にこだわり、
より柴犬らしい柴犬のブリーディングに努めています。
犬舎は戸建てで人の生活にも近く、子犬が新しいご家庭にもスムーズに馴染める環境となっています」

「他の犬との交流を学ぶことができるよう、幼少期から社会化を進めており、
子犬同士や犬舎の成犬たちとも触れ合う機会を設けています。
柴犬らしい本来の美しさと、ご家庭にスムーズに馴染むような育て方で、
天然記念物であるスタンダードな柴犬本来の魅力を多くの人に知っていただき、
そして後世に伝えていきたいというのが犬舎としての願いです」


柴犬は人気犬種だけに、あまり下調べをせずに迎えてしまう可能性がありますが、
衝動買いはペットも飼い主も幸せになりません。
柴犬がどんな特徴のあるワンコか、必ず理解した上で、楽しい生活を送っていただけたらと思います。

以上、猛犬(レークランドテリア)で苦労している私からのお願いでした。

柴犬の本来の性格は?

柴犬の本来の性格は?

続いて気になるのは、柴犬の性格。癒し系のイメージが定着しつつある柴犬ですが、ブリーダーさんの見解は異なるようです。

「飼い主の指示を忠実にこなすタイプの賢さを示す洋犬とは異なり状況を判断し、
自分で考えて問題を解決するタイプの賢さに優れています。
頭は良いので、お手や伏せなどのコマンドはすぐに覚えるのですが、自分が納得しなければ飼い主の指示でも従わないこともあり、時に我儘な行動で飼い主をコントロールしようとする節もあります」

「ですが、そんな“我が道をゆく”犬だからこそ、飼い主に見せる甘えた表情や、おやつを持っている時だけ全力で芸に励んでみる現金でツンデレな部分に、人は魅力を感じるのではないでしょうか」


確かに、うちの近所にいた柴犬も一人旅が好きなワンコで、自宅の門をくぐり抜けては、
他のワンコとケンカをしたり、お肉屋さんに行ってご褒美をもらったりしていました。(30年前の話ですが…)

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この記事を書いた人

小谷亮介

小谷亮介

1976年生まれ。放送作家。
5歳の時から40年以上、犬と暮らす自称「愛犬家」。
令和元年の秋に千葉などを襲った台風の前日に次男が子猫を拾い、現在は犬と猫(仲悪い!)との生活を送る。
放送作家としてはTBSラジオ「伊集院光とらじおと」、ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」などを担当。

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