手軽に飼えるエキゾチックペット、ハムスターに多い病気とは

2023/04/20

手軽に飼えるエキゾチックペット、ハムスターに多い病気とは

ハムスターに多い病気とは?

こんにちは。
【前回の記事】犬猫とは全然違うエキゾチックペットとは?【ハムスター編】
ではハムスターの生態や飼育方法をご紹介しましたが、今回はハムスターに多い病気についてお話ししていきます。

そもそもハムスターはペットとして飼いやすく安価なため、子どもが主体となって飼育することも多くあるでしょう。
間違った飼育方法や不適切な飼育環境によりストレスを感じて免疫力が落ち、
環境温度が合わずに体調を崩してしまうこともあるので、健康管理のために飼育方法や環境を家族で見直すことも大切です。

飼育方法に関しては【前回の記事】を参考にしてください。

ハムスターに多い病気

ハムスターに多い病気

■皮膚病


・細菌性皮膚炎 

尿や便により湿った床材で病原菌が繁殖し、毛が抜ける、皮膚が赤くなるなどの症状が出ます。
治療法:こまめなケージの掃除、床材の変更、抗生剤の投与

・皮膚糸状菌症

ストレスによって免疫が落ちたハムスターに起こりやすく、脱毛やフケが出るのが特徴です。
人獣共通感染症で免疫が大人に比べて弱い子どもなどでも発症するケースがあります。
治療法:抗真菌剤の投与

・ニキビダニ症

ストレスや他の病気によって免疫が落ちたときにかかる感染症で、毛が抜けることが多い病気です。
治療法:駆虫薬

・アレルギー性皮膚炎

床材のウッドチップが原因となることが知られています。皮膚の痒み、赤み、脱毛が特徴的です。
治療法:床材の変更、ステロイド剤の投与

■下痢


ハムスターの下痢は、別名「ウェットテイル」と呼ばれ、お尻の毛が下痢で濡れた状態になります。
形のある便がなくなるので、便が出ていないと勘違いする飼い主さんもいます。

下痢の原因として細菌や寄生虫感染、高脂肪の食事などがあり、
下痢から食欲不振、全身状態の悪化につながるので早急に治療が必要になります。

治療法:抗生剤や駆虫薬の投与。脱水がひどい場合は点滴や注射も行います。

ハムスターに多い病気(2)

ハムスターに多い病気(2)

■子宮疾患


メスのハムスターには加齢とともに時折、子宮の腫瘍や子宮に膿がたまる病気が見られます。
陰部からの出血や排膿があり、それに飼い主さんが気付いて来院されることが多くみられます。

治療法:超音波検査で子宮の状態を確認し、症状や全身状態などを総合的に見て手術をするか判断します。
手術ができない場合は内科治療を行います。


■腫瘍


ハムスターは皮膚に腫瘍が多発する動物です。

治療法:良性のものから悪性のものまで様々なので、細胞診や経過によって手術が必要かどうか判断します。

■心臓病


1歳半以上の高齢のハムスターでよく見られます。

治療法:ゴールデンハムスターの拡張型心筋症は特に多く、
病状が進行した場合は心臓薬を飲ませることによって改善が見られることがあります。

かかりつけの動物病院を探しておこう

かかりつけの動物病院を探しておこう

今回はハムスターに多い病気についてまとめてみました。

ハムスターは犬猫とは身体の大きさだけでなく生態も病気も違います。
一般の動物病院ではハムスターの診察や手術ができないこともあるので、
ぜひ健康なうちからハムスターが診られる動物病院を探して、
おうちの子のかかりつけ病院を作り、いざというときに備えてくださいね。

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この記事を書いた人

赤松愛

赤松愛

酪農学園大学卒業。
今年で小動物臨床経験7年目。
現在は千葉県で犬猫、小動物の一般診療に従事しています。
猫とフェレットとクォッカが大好きです。

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