スコティッシュフォールドの骨軟骨異形成症と獣医が教える対処法
2023/10/17
骨軟骨異形成症とは?
骨軟骨異形成症は主にスコティッシュ・フォールドに発症する遺伝性の疾患で、
成長の段階で関節の軟骨の構造に異常をきたし、関節周囲に骨瘤と呼ばれるコブができることもあります。
この関節の異常が原因となり関節の動きが悪くなり、痛みを伴います。
骨軟骨異形成症はスコティッシュ・フォールドの折れ耳の遺伝子によって起きるので、
折れ耳の子はほぼ100%発症すると言われています。
その反面、立ち耳のスコティッシュ・フォールドには折れ耳の遺伝子がないので、骨軟骨異形成症は遺伝しません。
骨軟骨異形成症の症状
・関節の痛み
・関節の違和感
関節の構造に異常が起きるため、関節がうまく動かせずゆっくりそっと歩く、
歩き方がぎこちない、走らなくなるなどの症状が出ることが多く見られます。
また、関節を動かすと痛いため、激しい運動や遊び、
キャットタワーなどの高い場所への上り下りなどもしなくなります。
身体をうまく曲げることができない、あるいは曲げると痛いせいで毛繕いの頻度が減り、
毛玉や毛並みの悪さが目立つようになることもあります。
そして、足先の痛みがあると爪切りなどで触られるのを極端に嫌がる様になります。
スコ座りという後ろ足を投げ出して人のように座る体勢は、
実は足先の関節が痛いため、関節に負担をかけないようにしていると言われています。
軽症の場合は普通の猫とほとんど変わらない生活を送ることができるので、気付かない飼い主さんもいるかもしれません。
骨軟骨異形成症の診断法と治療
骨軟骨異形成症の診断方法は
主にレントゲンで関節周辺に骨瘤などの
構造的な異常の有無を確認し診断します。
より詳細に骨や関節の構造を見る場合はCT検査などを実施します。
また骨軟骨異形成症の治療については
現在の医学では根本的な治療はありません。
痛みを緩和する治療として、
・放射線治療
・痛み止めの薬
・サプリメント
などが挙げられます。
骨軟骨異形成症は遺伝性疾患であり、予防はできません。
猫ちゃんによって病気の重症度は違うため、
症状の程度によって治療方法を組み合わせていく必要があるかもしれません。
猫の生活スペースをバリアフリーに
この病気の発症を止めることはできませんが、痛みを治療で緩和してあげるだけでなく、
生活スペースをバリアフリー化することで病気があっても快適に過ごしやすくなる可能性があります。
・滑りにくい床剤にする
フローリングは滑りやすく関節に負担がかかることもあるため、
猫ちゃんが歩くスペースは滑りにくく低反発のフロアマットなどが望ましいです。
・スロープやステップを設置する
猫ちゃんは本来高いところが好きな動物です。
高くジャンプできなくてもスロープやステップを使いながら上り下りが出来る様になれば、
高い場所で過ごしてくれる様になるかもしれません。トイレやケージのちょっとした段差も可能なら減らしてあげましょう。
・水やごはんのお皿の高さを調整する
自然な体勢で飲水や食事ができるように台の上にお皿を設置したり、
高さのあるお皿を使ったりするようにしましょう。
・ブラッシングや爪切りを定期的に実施する
毛繕いをせずに毛玉ができると毛玉を除去するのは大変です。
また爪も伸びすぎると関節の痛みに影響することもあるので、長くなりすぎないように注意してあげてください。
・体重管理をする
関節への負担を軽減することがこの病気にとっては大切です。
体重過多は関節への負担と痛みが増えるので、適正体重を維持できるようにしましょう。
おうちのスコちゃんに気になる症状があった場合は、早めにかかりつけに相談してみてくださいね。
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