犬の便が出にくい。ただの便秘ではなく病気の可能性も?

2023/12/14

犬の便が出にくい。ただの便秘ではなく病気の可能性も?

ワンちゃんの便秘についてのお話

ワンちゃんがトイレでずっと排泄の姿勢をとっている時はありませんか?

尿や便が物理的に出にくい、残尿感がある、下痢によって「しぶって」いるなど症状は様々です。
今回はワンちゃんの便が出にくい時にどんな病気が考えられるかお話していきます。

犬の便が出にくいときの行動

・トイレの場所で長時間排便の姿勢を取る。
・排泄姿勢をしているのに何も出ていない。
・何回も排泄姿勢を繰り返している。
などの行動が見られます。

考えられる犬の便秘の原因

・食事や水分摂取量
食事内容や水分摂取量などの影響で便が硬くなり、排泄しにくくなります。

〈治療法〉
繊維質が多すぎる食事を与えない。
水分摂取量が少ない場合、ウェットフードやふやかしフードへの変更が有効。
乳酸菌サプリの投与。
便軟化剤の投与。

・異物を飲み込んでしまった
紐や布、毛玉などが胃や腸で詰まらなかったとしても、異物が便の流れを妨げることがあります。
〈治療法〉
異物が詰まっていない場合は、流れを良くする消化管運動改善薬などの投与。

・消化管の動きが悪い
胃腸炎やほかの病気でご飯が食べられなくなったり、下痢や嘔吐などがあったりすると、身体の脱水が起こり、消化管自体の血流も悪くなります。その際、一時的に消化管運動の低下が見られることがあります。
〈治療法〉
原疾患の治療、点滴や消化管運動改善薬の投与。

考えられる犬の便秘の原因2

考えられる犬の便秘の原因2

・消化管の腫瘍
腫瘍がある部位は消化管の腔内が狭くなるので便が通りにくくなります。
〈治療〉
消化管腫瘍の精査。

・会陰ヘルニア
会陰ヘルニアとは高齢になり肛門付近の筋肉量が低下することにより、臓器が正常な位置からズレてしまい様々な問題を起こす病気です。

去勢をしていないオスに多く、会陰ヘルニアを起こすことで直腸が膨らみ、その膨らんだ部分に便が溜まり肛門からうまく便が出せなくなります。
肛門付近が膨らんでいるように見えた場合、会陰ヘルニアの可能性があります。
〈治療法〉
会陰ヘルニアの手術。
便軟化剤の投与。

一言に便秘と言っても様々な原因、考えられる病気があります。

おうちのワンちゃんの便秘が続いた時は、早めに病院を受診してみてくださいね。

受診する際には現在食べているごはんやおやつ、サプリや大体の1日あたりの水分摂取量を伝えられるようにメモをしておくのがオススメです。

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この記事を書いた人

赤松愛

赤松愛

酪農学園大学卒業。
今年で小動物臨床経験7年目。
現在は千葉県で犬猫、小動物の一般診療に従事しています。
猫とフェレットとクォッカが大好きです。

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