猫ちゃんを探せ!新感覚の猫本『おるね』
2024/01/01

「こんなところにいたの!?」
犬と暮らして43年、猫と暮らして5年が経過しました。どちらも可愛いのですが、人間との距離感が全く違います。
ワンコはいつも人間にベッタリ。私がリビングの隣にある書斎に移るだけで、淋しそうな顔を一応してくれます。(本当に考えている事は分からないので、自分にとって都合のいいストーリーだと思って下さい)
一方のニャンコ。
帰宅すると、運が良ければ玄関で出迎えてくれる(たまたまだと思います)事もありますが、9割以上、家の中のどこかに隠れているんです。
クローゼット、書棚の下、段ボールの中、カーテンの影・・・。
色んなところでかくれんぼをし、見つけては「こんなところにいたの!?」とアホな飼い主は喜んでいます。「見つける喜び」というのが、愛猫家の楽しみの一つかもしれません
猫ちゃんを見つける喜び
猫を見つける喜びというのは、家の中だけではありません。
私はアイドラペットの連載の中で、山手線の各駅を歩きながら、地域猫や街ねこを探す企画を一時期やっていました。
日暮里や西日暮里、巣鴨などでは実に多くの猫ちゃんに出会いましたが、その他の駅では猫探しに苦労したのです。
なぜなら、猫ちゃんは「街中でも隠れているから」。
お寺の隅っこ、公園の茂み、商店街の路地・・・。本当に上手に隠れています。
猫ちゃんが行動するのは早朝や、暗くなった夕方以降。日中に猫ちゃんと出会うのはレアケースでした。
それだけに、猫ちゃんを見つけると、(ルールを守り、プライバシーに配慮しつつも)カシャッと撮影してしまいます。
路地裏で猫探しをする楽しみが詰まった一冊

私のような素人が路地裏で猫を見つけると、ついつい猫をアップにしてしまいますが、あえて風景写真の中に溶け込んだ「猫」を探すという斬新なコンセプトの本が今、話題になっています。
それが「おるね 路地猫さがしBOOK」(亜紀書房)。
ページをめくると、そこに広がるのは穏やかな街の風景写真。しかし、よーく見てみると、猫ちゃんが「おるね!(関西弁で「いるね」)」。
写真家の小林哲朗(こばやし・てつろう)さんの著書「おるね」は、SNSで大人気の「路地猫さがし」を書籍化した一冊。
「どこ? どこ?」「あっ、ココに猫が!」と、探して楽しむ新感覚の〈猫本〉!そこで、著者の小林さんにインタビューさせていただきました。
どうして路地猫探し?

「もともと路地の雑多な風景が好きで撮影をしていました。猫とも度々出会い、猫を含めた日本の路地風景が素晴らしいことに気づき、力を入れて撮影し始めました」(小林さん)
一般的な猫本はアップになった猫ばかり(そりゃそうなんですが・・・)あえて景色の中に溶け込んだ猫をクローズアップするところが、斬新!!
私のようなおじさんは、かつての大人気企画「ナンチャンを探せ!」(風景動画から風景に溶け込むために変装したウッチャンナンチャンの南原さんを探すというTV番組のコーナー)を思い出しましたが、こちらは猫がカメラを意識していない分、より自然(笑)。
「おるね」というタイトルに込められた思い
「X(旧Twitter)で初めて『おるね的』な写真を投稿する時に、心霊写真風に『おるね』としたのが始まり。心霊写真かなと思わせつつ、猫だったというギャップを楽しんでほしいと思っています」(小林さん)
「いたの!?」じゃなくて、「おるね」という関西弁の響きも、全国的には新鮮で興味を引くものだったのかもしれません。私が書店で初めて、この本を手にした理由も「おるね」って、何が?という好奇心からでした。
「おるね」こだわりのポイント
「風景写真としても楽しめるように、構図をしっかり作って撮影しています。よく探すとちゃんと猫と認識できるように絶妙な撮り方をしています」(小林さん)
素人の私に出来ないのが、構図の妙。スマホでズームなどしながら、猫を見つけた後は、構図をよーく味わって下さい。
路地裏猫さがし。撮影のコツは?

「急に近づくと猫にストレスを与えて逃げてしまうので、2〜3m以上離れて撮影すると良いです。余裕があれば周りの風景も意識して、良い風景の中にいる猫を撮ってみてください」(小林さん)
お散歩の楽しみが広がりそうな路地裏猫さがし。猫ちゃんに配慮しながら、素敵な写真を撮影してみてはいかがでしょうか?
裏技として、猫ちゃん大好きの「ちゅ〜る」をポケットに忍ばせておくと、いいことがあるかもしれません。
■小林哲朗(こばやし・てつろう)
1978年兵庫県生まれ。写真家。主に、まち猫や路地・工場・巨大建造物・廃墟など身近な異世界をテーマに撮影。著書に『巨大工場探訪ガイド』『夜の絶景写真 工場夜景編 誰でも幻想的な工場夜景が撮れるようになる』(インプレス)、『夜の工場百景 ドローン空撮写真集』(一迅社)、『工場ディスカバリーZ』『廃墟ディスカバリー』(アスペクト)、『ドローン鳥瞰写真集 住宅街・団地・商店街』(玄光社)などがある。尼崎市在住。
X:@kobateck(「おるね」https://twitter.com/kobateck/highlights)
著書の詳しい情報はこちら!
https://www.akishobo.com/book/detail.html?id=1172
放送作家・小谷亮介
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この記事を書いた人

小谷亮介
1976年生まれ。放送作家。
5歳の時から40年以上、犬と暮らす自称「愛犬家」。
令和元年の秋に千葉などを襲った台風の前日に次男が子猫を拾い、現在は犬と猫(仲悪い!)との生活を送る。
放送作家としてはTBSラジオ「伊集院光とらじおと」、ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」などを担当。
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