犬の緑内障には2つのタイプ その症状と対処法

2025/03/13

犬の緑内障には2つのタイプ その症状と対処法

犬の緑内障その症状と対処法

緑内障は、眼圧が異常に上昇することで視神経が圧迫され、視力が低下する病気です。
人間だけでなく犬にも発症し、放置すると失明につながる深刻な疾患ですが、犬の緑内障は進行が速く、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。

犬の緑内障の原因と種類

犬の緑内障には、「原発性」と「続発性」の2つのタイプがあります。
原発性緑内障は、遺伝的要因により房水(眼球内の液体)の排出がうまくいかず、眼圧が上昇することで発症します。柴犬、アメリカン・コッカー・スパニエル、シー・ズーなど、一部の犬種は特に発症しやすいと言われています。
続発性緑内障は、他の眼疾患や外傷によって房水の流れが妨げられることで発症します。例えば、白内障やぶどう膜炎、眼の腫瘍などが原因となることがあります。

犬の緑内障の主な症状

緑内障の初期症状として、犬が目をショボショボさせたり、こすったりする仕草を見せることがあります。次第に目の充血、角膜の白濁、瞳孔の拡張といった異常が現れ、進行すると眼圧により網膜に損傷が怒り、視力が低下していきます。最終的には失明することもあるため注意が必要です。また、眼圧の上昇により強い痛みを伴うため、元気がなくなる、食欲が落ちるといった行動の変化も見られることがあります。

特に急性の眼圧上昇による緑内障は早急な対処が必要で、急性の眼圧上昇は24〜72時間継続すると失明のリスクが上昇すると言われています。そのような場合には視覚を維持するために眼圧を下げて目を保護する治療を入院下で行うことも。急性の眼圧上昇では瞳孔が散大したり、結膜の充血が強く見られたりするので日常的な観察が重要となってきます。

犬の緑内障の診断と治療法

犬の緑内障の診断と治療法

緑内障の診断では、眼圧測定や眼底検査が行われます。眼圧がゆっくりと上昇する場合には外見上の変化があまり見られない場合もあるので、異常を感じたらなるべく早く検査することをおすすめします。

犬の緑内障の治療方法は、内科的治療と外科的治療に分かれます。内科的治療では、眼圧を下げる点眼薬や内服薬を使用し、症状の進行を遅らせる処置をしていきますが、薬の効果が限定的な場合は外科手術が必要になることもあります。

手術には、房水の排出を促すための手技や、視力が完全に失われた場合の眼球摘出などがあります。その他専門的な病院ではレーザー治療などを行っていることもあるので、かかりつけの獣医さんと相談して的確な治療方針を組んでいきましょう。

予防と早期発見の重要性

予防と早期発見の重要性

緑内障を完全に予防することは難しいですが、最も効果的なのは定期的な健康診断を受けることで早期発見することです。特に緑内障のリスクが高い犬種の場合は、若いうちから定期的に眼圧を測定し、異常がないかチェックしていきましょう。

また、目の充血や違和感を示す行動が見られた場合は、放置せずにすぐに動物病院を受診することが愛犬の視力を守るための大切なポイントです。

犬の緑内障は進行が早く失明に至る場合もある、リスクが高い病気です。早期発見と適切な治療によって愛犬の目を守ってあげましょう。

犬の病気 病気 獣医師 いぬ

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この記事を書いた人

獣医師 塩田純一郎

獣医師 塩田純一郎

獣医師。
首都圏で5年間犬猫を中心とした診療に携わりました。その後は病気のメカニズムや細胞たちの反応、薬の作用について勉強しています。
日常の身近な疑問や病気のメカニズムについて、わかりやすくお話しできればいいなと思っています。
よろしくお願いします。

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