人はなぜ猫の鳴き声に弱いのか。その理由を考える
2025/03/27

なぜか猫の鳴き声には怒れない私
愛犬が吠えると(声がデカ過ぎる事もあって)「うるさい」と怒ってしまうのに、愛猫が「ニャー」鳴くと、「どうしたんでちゅか?」と赤ちゃん言葉になってしまう私。
ちなみに、我が家の愛猫は毎日、夜中の3時頃と5時50分前後に、ご飯をくれと鳴きますが、あの声の持つ力のせいなのか、猫には怒る事が出来ません。
一説によると、「ニャー」という鳴き声は、野生の猫が母親に甘える時のもので、ネコ同士では、あのよう声は出さないとか。
飼い猫や野生の猫が「ニャー」と鳴くのは、ご飯や助けを求める際、ジェスチャーやボディランゲージよりも手っ取り早い手段として考え出されたものだという話もあるようです。
つまり、人間をうまく利用するために、考え出された「あま〜い声」なのかもしれません。
なぜ、猫の声は甘く聴こえるのか?
もし、猫の声が同じ猫科のアムールトラのような「ワァオー、ガァオー」だったら、「きっと、あれだけ逞しい声なら大丈夫だろう」と思い、助けていなかったような気がします。
また、タスマニアデビルのような悪魔の叫びのような声でも、怖くて見て見ぬフリをしたかも…。(ごめんなさい。実際は助ける方向で動くと思います)。
かわいい声の声優さんがアイドル的な人気を得るように、やはり声のトーンや甘さというのは、大事なのです。
※アムールトラやタスマニアデビルの鳴き声は、こちらの東京ズーネットのホームページ(https://www.tokyo-zoo.net/cry/index.html)でご確認下さい。タスマニアデビルの鳴き声、怖過ぎるので、ご注意を。
猫の鳴き声、海外ではどう表現する?

さて、猫の可愛い鳴き声、海外ではどのように表現するのか、調べてみました。
まずは、アジアから。韓国では「猫の鳴き声」=「야옹(ヤオン)」。トーンは近いかもしれませんが、「ヤ」行で始まる感じは意外でした。ちなみに、犬の鳴き声「ワンワン」は韓国で「モンモン」と表現するそうです。
続いて、中国。猫の鳴き声は、「喵(「ミィァォ」または「ミャオ」)」。日本の「ニャー」に近い印象です。
続いて、英語なんですが、アメリカ英語では「mew(ミュー)」、イギリス英語では、「meow(ミーアウまたはミャウ)」。意外な事に、中国と似た表現。
さらに、ユーロ圏を見ると、フランス語「miaou(ミャウ)」、ドイツ語「miau(ミアォ)」、イタリア語「miao(ミャーオ)」、スペイン語「miau(ミャウ)」。言葉は違うのに、このエリアもそっくり。
そしてロシア語では「мяу(ミャーウ)」や「Мяф」(ミャーフ)」。猫の祖先がいたと言われる中東のエジプトでは「ミューミュー」。
何と、(今回調べた中で、)日本と韓国を除く、ほとんどの国が「M」から始まる綴りで猫の鳴き声を表現しているのです。
どこか柔らかい印象のあるMから始まる音。海外の方にも、猫の鳴き声は甘いものという印象なのかもしれません。
愛猫との出会いも鳴き声がきっかけでした

猫の鳴き声には人を惹きつける不思議な力があります。思えば、我が家が愛猫を保護することになったきっかけは、駐車場の車の下から聴こえた「か細い鳴き声」でした。
犬の散歩に出掛けた際、「ミャ〜、ミャ〜」と、消え入りそうな子猫の声が低い位置から聴こえ、当時小学校4年生の次男を呼び、車の下に潜ったところ、白い子猫が。
もしあの時、子猫が鳴いていなければ…翌日は台風でしたので、命の危険にさらされていたのかもしれません。
2019年の秋、車の下から必死にSOSを送ってくれた愛猫。今は子猫の時よりも立派なわがままボディになっていますが、あの命を繋いだ「か細い声」の思い出があるので、深夜に鳴いても、おじさんは怒れないのです。
猫の鳴き声がいつ聞こえてもいいように、おやつは切らさないようにしておきたいですね。
放送作家・小谷亮介
おすすめのペットグッズ
この記事を書いた人

小谷亮介
1976年生まれ。放送作家。
5歳の時から40年以上、犬と暮らす自称「愛犬家」。
令和元年の秋に千葉などを襲った台風の前日に次男が子猫を拾い、現在は犬と猫(仲悪い!)との生活を送る。
放送作家としてはTBSラジオ「伊集院光とらじおと」、ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」などを担当。
\SNSでシェアする/
おすすめハッシュタグ
こちらの記事もおすすめ
-
2022/07/14
-
2023/08/03
-
2022/01/11
-
2022/05/19
-
2022/11/15
-
2021/09/16