花火大会の爆音は犬の耳にダメージ!夏の風物詩に要注意

2023/08/08

花火大会の爆音は犬の耳にダメージ!夏の風物詩に要注意

犬はどれくらい耳が良いの?

犬の聴力についてお話しする前に、まず知っておいて欲しいことは、
ワンちゃんの聴力を検査することは一般的な病院ではとても難しいという点です。

ヒトはヘッドホンで音を聞きながらスイッチを押す形式で検査をすることが多いと思いますが、
ワンちゃんにはスイッチを押すことができないので、実際どれくらい正確に音を認識できているのかがわかりません。

それでも様々な実験でワンちゃんの聴力がどれくらいなのかが大まかに調べられています。

ヒトが聞くことのできる音の周波数は16Hz〜20,000Hzと言われています
(実際には12,000Hz程度のヒトが多いそうですが)。
それに対して、ワンちゃんが聞くことができる周波数は65Hz〜50,000Hzと全体的に高い音を聞くことが得意なようです。

ワンちゃんにはヒトが聞くことができないような高い音まで聞こえるので、
電子レンジやIHコンロなどの家電の動作音や、車やバイクのエンジン音は比較的よく聞こえると言われています。

ちなみにヒトの可聴域で言われる高い音、
いわゆるモスキート音は年齢が上がっていくとだんだん聞こえなくなります。
これはワンちゃんも同様に聴力が落ちていくと言われています。

音の聞こえる距離については諸説あります。実際に距離を計測することは困難ですが、
耳の構造や周波数からヒトの4倍、距離にすると1km以上離れたところの音も聞くことができると
記載されている文献が多く見られます。

ただしこれはデシベルといった音量で表記されることはありません。
前述したように、ワンちゃんには聴力検査ができないためですね。
それでもヒトと比較すると圧倒的に広い範囲の音を聞くことができるほど耳がいいと言われています。

ちなみに垂れ耳の犬種でも聴覚にはあまり影響がないと考えられています。
ただし、外耳炎などで耳道が狭窄している子はその分聴力が落ちやすくなります。

ワンちゃんの耳が聞こえなくなる要因はそのほかにもあり、
大きく分けると先天性と後天性の聴覚障害になります。

先天性と後天性の聴覚障害

先天性と後天性の聴覚障害

■先天性聴覚障害
先天性障害を持ちやすい犬種は人気のあるミニチュアダックスフンド。
特にダップルと呼ばれる薄い毛色の犬種は先天的な聴覚異常を起こしている場合があります。

この毛色は遺伝的にその他の先天性疾患を持っている確率も高いため、日常的に注意してあげる必要があります。
そのほかシェットランドシープドッグなども遺伝子の特性から病気の可能性が示唆されています。

■後天性聴覚障害
後天的な聴覚異常で最も多いものは加齢性変化によるもの。
動物の耳には鼓膜の振動を神経に伝える耳小骨と呼ばれる耳の中の骨があります。
この動きが加齢に従って徐々に悪くなり音が聞こえにくくなります。


また抗生物質や抗がん剤の副作用として聴覚の神経がダメージを負ってしまうことでも音が聞こえにくくなります。
この薬剤性の難聴は人でも起きることがあります。

難聴になるかも!?大きな音に注意

冒頭で述べたように花火大会などの大きな音がでるようなイベントは注意が必要です。
耳がよく、より小さい音まで聴くことができるワンちゃんには、
ヒトがやや大きいと感じる音量はとても大きいものになります。

大きな音でストレスを感じるだけでなく、
近くで大きな音がした場合にはその刺激で一時的な難聴になってしまうことも。
一時的な神経の麻痺は時間が解決するのを待つ必要があります。

また家の近くで花火があった際は、繊細な子はパニックをおこしたり、
その時はなんともなくてものちのちストレスで胃腸炎を起こしたりすることもあるのです。

特に繊細な子、毎年花火大会の前後で体調を崩す子は花火対策をしてみましょう。

花火大会には犬を連れて行かない

花火大会には犬を連れて行かない

一番簡単な対策はそもそもワンちゃんを花火大会に連れて行かないことです。
お留守番はかわいそうだなと思ったり、思い出を一緒に作りたいと思ったりする気持ちはわかります。
それでもそこをグッと我慢して、花火大会に連れて行って不必要に体調を崩す機会を増やすような事は避けたいですね。

家の近くが花火のスポットで、家の中でも花火の音が聞こえてしまうお家もあると思います。
また、ヒトは感じなくても耳のいいワンちゃんには音が聞こえてしまうなんてこともあります。

花火の音でパニックになってしまった時などはそばにいてあげて、
普段と変わらないよ、ということをアピールすれば、落ち着かせることができるかもしれません。

また不安症な子は日常的に、もしくはストレスがかかる前後に抗不安薬や
ミルクから抽出した安心できるサプリメントなどを使う手もあります。

詳しくはかかりつけの動物病院に相談してみましょう。

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この記事を書いた人

塩田純一郎

塩田純一郎

首都圏で5年間犬猫を中心とした診療に携わりました。
その後は病気のメカニズムや細胞たちの反応、薬の作用について勉強しています。
日常の身近な疑問や病気のメカニズムについて、わかりやすくお話しできればいいなと思っています。
よろしくお願いします。

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