犬の歯磨きガムについて知っておきたいこと

2025/02/25

犬の歯磨きガムについて知っておきたいこと

犬の歯磨きガムについて知っておきたいこと

犬の健康管理において、口腔ケアは非常に重要です。
特に犬は唾液の性質上、ヒトよりも早く歯石になってしまうため、歯磨きガムは犬のデンタルケアをサポートする便利なアイテムとして多くの飼い主に利用されています。
しかし、その選び方や使い方には注意点があります。

今回は、犬の歯磨きガムについて詳しく解説していきます。

歯磨きガムの役割

歯磨きガムは、咀嚼することで歯に付着した汚れを物理的に除去し、歯垢や歯石の形成を抑える効果があります。また、ガムを噛むことで唾液の分泌が促進され、口内環境を整える手助けもします。一部の製品には、抗菌成分や口臭を抑える成分が含まれており、総合的な口腔ケアに役立ちます。

歯磨きガムを選ぶ際のポイント

以下の点を考慮して、愛犬に最適な歯磨きガムを選びましょう。

・素材と成分


天然素材の方が優れているというわけではありませんが、口に入れるものなので信頼できる製品を選ぶと安心です。着色料や保存料などの添加物が多い製品は避け、犬に有害となり得る成分が含まれていないか確認しましょう。

・大きさと硬さ


犬の体格や噛む力に合ったものを選ぶことが大切です。小型犬には柔らかめで小さめのガムを、大型犬には硬めで噛み応えのあるガムを選びます。天然物であったとしてもウシの骨や蹄、腱などを原材料とするような製品は歯に対して硬すぎる事があり、歯を傷つけたり、場合よっては破折したりする恐れがあるので注意が必要です。

・効果


歯垢を除去するために設計された特定の形状や、抗菌作用を持つ成分が含まれた製品を選びましょう。適度な柔らかさや凹凸がある製品は咀嚼することで歯の隙間にまで入り込んで歯垢を取ってくれます。VOHC(米国獣医口腔衛生協会)と呼ばれる第三者機関が認定している製品にはロゴがついているため一定の効果が期待できます。

歯磨きガムの使用上の注意点

歯磨きガムの使用上の注意点

・定期的な使用とチェック


歯磨きガムはあくまで補助的なケア用品です。歯磨きと併用し、定期的に使用しましょう。また、歯石の付着度を見てもらうためにも病院でのチェックも欠かさずに。

・適切な頻度


ガムの与えすぎは肥満や栄養過多の原因になる可能性があります。パッケージに記載されている推奨量を守り、与えすぎに注意してください。特に太りやすい子は歯磨きガムの量にあわせて食事量を調整する必要が出てくることもあります。

・監視の下で使用


ガムを噛んでいる間は誤飲を防ぐために目を離さないことが大切です。大型犬、小型犬に限らず、ガムを丸飲みしてしまうリスクがあるため注意してください。少しずつかじっていき、最後の塊をぺろっと飲み込んでしまうことが多いのです。

成形されているものであれば飲み込んだ後に溶けてくれますが、天然由来のものでは消化できずに胃のなかに残ったり腸に詰まったりすることがよくあります。そういった場合には内視鏡での回収を試しますが、難しい場合には開腹手術が必要になります。

歯磨きガムだけに頼らないデンタルケアを

歯磨きガムは便利なアイテムですが、犬の口腔ケアの基本は歯磨きです。
毎日の歯磨きを習慣化し、歯磨きガムを補助的に使うことで、より効果的なデンタルケアが期待できます。
歯磨きトレーニングも併せて頑張っていきましょう。

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この記事を書いた人

獣医師 塩田純一郎

獣医師 塩田純一郎

獣医師。
首都圏で5年間犬猫を中心とした診療に携わりました。その後は病気のメカニズムや細胞たちの反応、薬の作用について勉強しています。
日常の身近な疑問や病気のメカニズムについて、わかりやすくお話しできればいいなと思っています。
よろしくお願いします。

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